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2002年7月8日(月)号
■■―今週のことば―■■  ゴーイングコンサーン(事業の継続)規定

 来年3月から監査法人の監査を受けている企業に導入。決算の時点で、今後1年以内に事業の継続が困難になる可能性を示す「事象」があれば、明示を義務付け。

◆◇◆ 中小企業にも役に立つ金庫株 ◆◇◆

** 自社株の取得・保有・処分が自由に **

 昨年10月から施行された商法改正は、50年ぶりの株式制度の大改正といわれています。その改正の中心は「金庫株」の解禁です。「金庫株」とは、企業が特定の目的を定めずに、自社株を買い戻し、処分せずに自社の金庫に保管・保有し続け、必要に応じて使うという意味で金庫株と呼んでいます。
 金庫株の解禁は、低迷する株価を回復させるため、主に上場企業が活用できる制度ですが、金庫株が中小企業の相続税対策・事業承継対策にも役立つことはあまり知られていません。また、分散した株式の集中や持合株の解消にも、金庫株が活用できます。

** 自社株を会社に売って相続対策 **

 例えば、事業承継をスムーズに運ぶためには、事業後継者を早く確定し、経営支配権の維持を図り、相続税を上手く納めて事業を引き継ぐことです。
 これまでは、親から高額の株式を相続した後継者が、相続税の納税資金の捻出に苦しむケースは少なくありませんでした。株式が非公開であれば、どんなに評価が高くても他には売れず、会社に売ろうとしても発行済株式数の20%までという制限がありました。
 この相続税対策に役に立つのが金庫株なのです。つまり、自社株を会社に金庫株として買ってもらい、そのお金で相続税を支払うといった方法です。会社に前もって金庫株を譲渡して納税資金を準備しておくこともできます。
 しかし、個人株主の場合は、「みなし配当課税」(配当所得、最高税率50%)などが課される可能性もありますので、ご相談下さい。

◆◇◆ 中小企業の実態にあった検査マニュアル ◆◇◆

 金融庁は、「金融検査マニュアル別冊・中小企業融資編(案)」を作成し、今年後半の検査から適用する見通しです。従来のマニュアルは、大企業を念頭に置いたもので、中小企業の実態に合わないとの指摘がありました。
 中小企業特有の事情、例えば、企業の資産とその代表者等との資産が実質的には一体である場合が多い、技術力や販売力などの将来性、なども判断材料として加味するものです。検査のポイントを踏まえ金融機関との対応を講ずるべきです。

◆◇◆ 新体制で税務調査も始まる! ◆◇◆

 10日は税務署の定期人事異動があり、14事務年度がスタートし、新体制で税務調査も始まります。先日発表された大幅な税収不足を受けて、厳しい調査になることが予想されます。
 調査対象は、不正計算を行う常習、一般的な好況業種、少額の黒字・赤字法人、企業や役員の申告書・取引先調査時の資料情報などを勘案して決められるようです。

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★10日(水)は納期の特例の承認を受けている企業(従業員10人未満)の源泉所得税(1月~6月分)の納付期限です。1日でも遅れると5%の不納付加算税と延滞税が課せられます。


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