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2002年7月15日(月)号
■■―今週のことば―■■  コンプライアンス(法令遵守)

 不祥事が発覚した企業は、法的・世間的にその責任を問われ、存続すら危うい事例が多発している。不法行為が判明した時、もみ消し・隠ぺいをしない体制の確立を。

◆◇◆ どうなる生前贈与の円滑化 ◆◇◆

** 政府税調の基本方針にも明記 **

 相続税・贈与税の軽減措置は、追加デフレ対策として、研究開発促進税制や投資減税とともに、来年度税制改正に盛り込み、来年1月から適用される方針です。
 政府税制調査会が6月に公表した税制改革の基本方針でも、高齢者に偏っている資産を早い時期に現役世代に移転することで経済活性化を期待する「生前贈与の円滑化」が検討事項として明記されました。
 ただし、その導入に当たっては、長期にわたる財産移転の記録、確認、名寄せ・突合せなど、制度を適正に運営するための環境整備が不可欠だとして、具体的な内容までは示されませんでした。

** 相続税の非課税枠を先取りする **

 しかし、その後、政府税調が検討した結果、贈与側の年齢を65歳以上に限定、相続税の非課税枠を先取りして贈与税の非課税枠を拡大し、相続税と贈与税を一体化する形での減税となるとの生前贈与の円滑化策の大枠が新聞報道されています。
 現在の贈与税の非課税枠は年間110万円ですが、これを相続税の非課税枠を前倒しして使えるようにします。例えば、相続税の基礎控除は法定相続人が4人で9千万円(5千万円+法定相続人4×1千万円)です。これを4等分す
れば、1人当たり2250万円までが生前贈与で非課税となるわけです。 もっとも、政府税調の基本方針では、相続税の最高税率を引き下げる一方で、基礎控除も引き下げることも検討事項ですので、この非課税枠ももっと小さくなる可能性もあります。今後の議論で明らかになる制度の詳細が注目されます。

◆◇◆ 中小企業の直接金融「少人数私募債」とは ◆◇◆

 少人数私募債とは、経営者の親戚や知人などを対象に購入者を募る社債で、発行総額が1億円未満・募集対象者は49人以下なら企業規模や業績に関係なく原則、自由に発行でき届け出は不要です。
 発行手順は、1.取締役会で過半数が承認する、2.発行総額・年利・償還期限など募集要項の作成、3.11項目を明記した社債申込書を作成、4.購入者の募集、5.申込書に署名・捺印があることを確認し募集引受通知書を購入者に送付し入金を受ける、6.購入者に預り証を発行し社債台帳を作成すれば、債券を発行する必要はありません。
 経営者の信用と明確な事業計画が必要条件ですが、貸し渋り時代の資金調達法のひとつです。

◆◇◆ "送りつけ商法"にご注意 ◆◇◆

 新聞報道によると、申し込んでいない労働関係の冊子と請求書が送り付けられ、多くの中小企業が被害にあったそうです。これは、勘違いして支払うことを狙ったネガティブオプションと呼ばれる商法です。
 同様の手口に、バー・クラブのような名称で「請求書」だけを送りつけ、経理担当者が気を利かせて振り込んでしまう例もあります。いずれも被害額が3万~5万円程度なので泣き寝入りしているケースも多いようです。ご注意下さい。


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