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2002年11月18日(月)号
■■―今週のことば―■■  バランス・スコアカード

 売上や利益など財務的な指標のほかに、顧客満足度や品質の改善、従業員の熟練度などを加味し、中長期的・多面的な視点から企業の状態を評価する経営分析手法。

◆◇◆ 考えよう中小企業の退職金制度 ◆◇◆

** 重荷となっている基本給連動型 **

 中小企業経営にとって退職金制度のあり方が重要になっています。これまでは、勤務年数に応じて支給額が増えていく基本給連動型がほとんどですが、近年、退職金支給総額の増加が経営の重荷となっています。ここでは、あさひ銀総研が中小企業の退職金制度のあり方を考察したレポートを紹介します。
 現在、新たな退職金制度として、別テーブル方式、定額方式、ポイント制方式という、基本給に連動しない方式が注目を集めています。

** 雇用形態の違いで望ましい制度を選択 **

 別テーブル方式は、退職金支給総額の算定方法を給与の賃金テーブルとは別体系とするもの。定額方式は、退職金支給額を在籍年数に応じた定額としてあらかじめ決めておく方法。ポイント制方式は、職能資格に応じて在職1年あたりのポイントを設け、その累積ポイントに1点あたりの単価を乗じて退職金支給額を算出する方法です。
 特に、ポイント制方式は職能資格制度が前提となることから、年功序列型の人事制度を能力重視型のものに転換する契機となります。
 しかし、望ましい制度は雇用形態の違いにより一様ではありません。定年までの長期勤続を前提とする企業では、定額方式とポイント制方式との併用が考えられ、中途採用・中途退社が常態化している企業では、退職金制度の廃止も選択肢となります。
 制度を存続する場合でも、
1.在籍期間の貢献度をポイント化して勤続年数と無関係な制度に切り替える、
2.ストック型人材とフロー型人材に対して二本立ての制度にする、
といった方法が考えられます。

◆◇◆ トップの厳しい視線が不祥事を回避する ◆◇◆

 今年も多くの企業不祥事がありましたが、その共通点は"現場チェックの不備"といわれています。特に中小企業では、トップがリスクマネージャーとしての自覚を持ち、その厳しい視点で現場を見て、兆候を見逃さないことが不可欠です。
 中小企業の場合、本社が現場と近いか同じ場所なので目が届いていると安心せずに、チェックの仕方に問題はないか見直すことも大切です。
 小倉ヤマト運輸前会長は、「安全も営業も一番」ではなく「安全第一、営業第二、売上が減少しても無理な仕事は断りなさい」と、トップが守るべきことを明確に提示することが、「会社のため」に起こる不祥事を防ぐ出発点と言います。

◆◇◆ 来年から所得税申告書の「控え」が複写化 ◆◇◆

 国税庁はこのほど、来年春の14年分確定申告に使用する申告書から「控え」も複写化することに決めました。これは、申告書の書き方を説明する「確定申告の手引き」のなかの計算欄がこれまでの下書きの役割を果たすと判断したためです。
 これまで「控え」を証明用に使いたい場合は、下書きのときは鉛筆で書いて、提出する内容が決まってから、消しゴムで消して改めてボールペンで書き直して税務署で収受印を押してもらう必要がありました。来年からはこの手間が省けます。


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