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2005年9月12日(月)

■■-今週のことば-■■  弁護士保険

 日弁連と損保会社が提携し販売している保険。事件や事故の被害にあった加入者が、法的手続きを行う際、弁護士の紹介や費用を給付。加害者の場合は利用できない。

◆◇◆ 役員賞与の取扱いが変わる? ◆◇◆

** 利益処分の役員賞与は損金不算入 **

 長年、役員賞与の税務上の取扱いは損金不算入とされてきましたが、ここにきて損金算入が可能になるように見直せとの声が高まっています。
 ご存知のように、税法上役員報酬と役員賞与の区別は定期・定額であるか否かで判定されていますので、毎月定額でない業績連動型報酬や役員賞与については、損金に算入しないこととされています。

** 新会社法・企業会計は費用処理 **

 ところが、来春に施行される新会社法では、役員賞与も利益処分ではなく「職務執行の対価」として報酬決議によることが明確化されました。これを受けて、企業会計においても、現在は支給手続きに応じて「未処分利益の減少」と「費用処理」に分かれている役員賞与の会計処理を、費用処理に一本化する方向にあります。
 なお、東証1部上場企業の1割超が役員退職金を廃止し、好業績を実現すれば報酬を引き上げる業績連動型を導入しており、年々増加しています。

** 経産省が来年度税制改正で見直し要望 **

 このような動きのなか、経済産業省が平成18年度税制改正要望の中で、役員賞与や業績連動型役員報酬に係る課税の取扱いの見直しを求め注目されています。新会社法や会計基準の考え方との整合性や、役員賞与の損金算入を認めている主要先進国の取扱いなどを踏まえ、時代に適合した税務処理のあり方について議論していく必要性を訴えています。
 他方、業績連動型報酬の損金算入を認めないことが、アメリカ型のプロの経営者が出現しない要因との批判もあります。損金算入が認められる可能性は低いでしょうが、今後の議論の行方が注目されます。

◆◇◆ 会社が被災したときの税務は ◆◇◆

 今年も台風や地震による災害が多く発生し、各地で被害が相次いでいます。
 地震や風水害で法人が損害を受けたときは、その災害のやんだ日から2か月以内に被災明細書を添付して税務署に申請すれば、納税の猶予や申告期限の延長が受けられます。
 また、損害額や原状を回復するための費用は概ね損金になりますが、保険金の補填や見舞金・義援金の受領は原則収入になります。
 なお個人の場合は、その被害額は雑損控除の対象に、被害額が資産の50%以上のときは災害減免法の対象にもなり、有利な方を選べます。

◆◇◆ スパイウェアにご注意ください ◆◇◆

 スパイウェアとは、他のパソコンへの感染や破壊行為は行いませんが、インターネットやメールなどから知らないうちにパソコンに侵入し、IDやパスワードなどの個人情報を第三者へ転送してしまうプログラムです。
 スパイウェアによる被害が増加しており、悪質な事件も発生しています。怪しいメールやホームページを開かない、フリーソフトを安易にダウンロードしない、などに注意し、対策ソフトで侵入を防ぎましょう。


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