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2005年10月31日(月)

■■−今週のことば−■■    情 報 断 食

 テレビやネットなどから膨大な情報が日々氾濫し、収集することに追われ思考停止になることがある。一時的に情報を遮断し、整理することで、脳をリセットする必要も。

◆◇◆ インターネット取引を集中調査 ◆◇◆

** 「着眼調査」を導入 **

 国税庁がこのほど発表した今年6月まで1年間の個人事業者への調査状況によると、資料情報や事業実態の解明を通じて申告漏れや所得等の把握を短期間で行なうことを目的に19万件を超える「着眼調査」を導入しています。
 同時期の1年間に税務調査を受けた個人事業者は前年度より2.3%少ない78万593人で、その約7割から同1.4%少ない8936億円の申告漏れを把握しています。1件あたりの申告漏れ高額業種のトップは4年連続で「貸金業」でした。

** 調査の過半は「ネット通販」 **

 ネット取引が急速に伸びるなか、ネット上だから税務調査はないだろうと考えて申告しなかったり、過少申告するケースが増えています。ネット取引を行っている個人事業者への調査結果では、調査1件あたりの平均申告漏れ額は、前年度より16.4%増の1112万円。これは、同期間に行われた一般の実地調査の899万円を大きく上回っています。
 ネット調査は全体で1031件行われましたが、取引区分は「ネット通販」が561件、出会い系サイトなどの「その他のネット取引」が461件です。
 具体的な事例をみると、ネット上にHPを開設して健康食品を販売していたAは、販売代金を家族名義の銀行口座に振り込ませるなどして申告していませんでした。調査の結果、その申告漏れ所得金額は1億円にのぼり、4千万円が追徴されています。
 国税当局では、ネット取引の増加に対応して、国税局に設置している「電子商取引調査チーム」を中心に調査を強化しています。

◆◇◆ 消費税・源泉税納税の専用口座を作る ◆◇◆

 消費税と源泉所得税は預り金的性格があるので、会社が赤字で法人税はゼロでも納税しなければなりません。また、個人事業者は今年から(法人は今年3月決算分から)消費税の免税点が課税売上高3千万円から1千万円以下に引き下げられたため、初めて申告・納税を経験する事業者もいます。
 そこで、「専用口座」を作って毎月の消費税相当額と源泉税(納付の特例を受けている企業)を預金して納付期限に備えます。なお、この口座を自社の資金繰りに組み込まないことが大切です。
 自民党の財政改革研究会は、消費税を社会保障目的税として10%〜15%に引き上げる可能性を示しており、気になるところです。

◆◇◆ 11月のチェックポイント ◆◇◆

※税務署から届いた年末調整書類の確認。従業員に送られてきた保険料控除証明書を大切に保管するように伝達、または会社で預かります。

※年末の資金繰りを再確認し、不足するようであれば売掛債権の回収や支出の抑制または金融機関へ早めに相談をします。

※営業担当と経理が協力して得意先管理を行い、年末に向けて売掛金の回収に備えます。

※冬季賞与に関する業界や地域情報、経済紙誌なども参考に資金繰りに合わせて検討に入ります。


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