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2007年6月25日(月)

■■−今週のことば−■■  長寿企業大国

 日本は100年を超える歴史を持つ企業が数万社あり、世界でもずば抜けて 多い。長寿企業の共通点は、本業に徹し、こつこつ改良を重ね、揺るぎない企業理念を持つ。


◆◇◆ 査察での告発件数は166件と高水準 ◆◇◆

** 消費税関連の告発件数が大幅増加 **

 国税庁が発表した平成18年度版査察白書によると、18年度中に査察に着 手した件数は231件、その脱税総額は304億円で、ともに前年度を上回り ました。また、刑事罰の対象となる検察庁に告発した件数は75%(告発率)にあたる166件と高水準でした。告発分の脱税総額は278億円、1件あたり1億6700万円となっています。
 告発事件を税目別にみると、消費税関連の事案が増えているのが目立ちます 。これは、人材派遣業を中心に、人件費を外注費に科目仮装することによる脱税や、輸出免税制度を悪用した不正還付事案が増加していることが背景にある ようです。

** 目立つ無申告・国際取引関連事案 **

 最近3年間の告発件数は、無申告事案では44件、国際取引事案では79件 と増加傾向にあり、査察の重点対象といえます。
 国際取引事案の例では、海外工事に関連し、現地法人に対して外注費を水増 しして計上し、当該法人から不正資金を現金で回収し、国内に持ち込んだとして告発されています。
 また、脱税資産の隠匿場所は、埋込式金庫や浴室の天井裏、掘り炬燵、親族 名義貸金庫など様々です。
 なお、18年度中は査察事件の一審判決が160件出ていますが、すべて有罪となっており、うち14人に執行猶予が付かない実刑判決が下されました。 1人あたりの平均懲役月数は16.4ヵ月、1人(社)あたりの罰金額は平均 2700万円でした。
 悪質な脱税は、社会的な信用を失うだけでは済みません。適正な申告を心が けたいものです。

◆◇◆ 他社倒産の余波が急増、対策の強化を ◆◇◆

 民間信用調査会社が発表している倒産状況によると、前年に比べ負債総額は減っているものの、小規模倒産の増加傾向が続いており、「他社倒産の余波」により、一時的に資金ショートして倒産するケースが増加しているようです。
 連鎖倒産のリスクを防ぐ代表的な対策として、「経営セーフティ共済」があります。取引先が倒産した場合、毎月積み立てた掛金の10倍(最高3200 万円)まで、無利子・無担保・無保証人で借入することができます。また、掛け金は、損金(法人)又は必要経費(個人)に算入でき、掛け捨てではなく1 年以上継続した場合、月数により80〜100%が返金されます(40ヵ月以 上で全額)。

◆◇◆ 「納期の特例」源泉所得税の納税準備を! ◆◇◆

 源泉所得税の納期の特例を受けている企業(従業員が常時10人未満)の納 付期限は7月10日(火)です。1月〜6月分の給与・賞与・退職金及び税理士など報酬の源泉所得税をまとめて納付するため多額になる場合があります。
 早めに1月から6月までの支払額と源泉徴収税額を算出しておきます。この時期は、夏季賞与や夏物商戦など資金需要が増えるので、売掛金の回収強化を 図るとともに納税のための資金繰りも併せて確認しておきましょう。


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