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2008年2月4日(月)

■■−今週のことば−■■  iPS細胞(人工多能性幹細胞)

 人体のあらゆる組織に成長する能力を持つ万能細胞。皮膚などの体細胞から作る。再生医療や病気の解明など幅広い応用が期待され、国も早期実用化に向け全面支援。


◆◇◆ 相続税の課税方式が変わる? ◆◇◆

** 事業承継税制は遺産取得課税方式も検討 **

 事業承継税制の抜本見直しは、遺産取得課税方式の導入とセットで行われる可能性が高くなっています。非上場会社の事業承継相続人が相続により取得した自社株の課税価格を8割減額する相続税の猶予制度は、平成21年度改正で創設が予定されています。
 それとともに閣議決定された要綱では、「新しい事業承継税制の制度化にあわせて、相続税の課税方式をいわゆる遺産取得課税方式に改めることを検討する」と明記されました。
 現行の課税方式は、各人の課税価格を合計した相続財産総額をもとに、いったん法定相続分で全体の相続税を算出した後に、その相続税を各相続人の実際の遺産取得分で按分計算する方式を採用しています。これに対して遺産取得課税方式は、個々の相続人が相続した遺産に直接課税する方式です。

** 自社株軽減の恩恵は事業承継人だけ **

 現行の課税方式のままで自社株の減額制度を適用した場合、減額分だけ全体の相続税も減る結果、事業承継相続人以外の相続人の相続税も軽減されます。そこで、遺産取得課税方式を導入すれば、課税価格が低くなる事業承継相続人以外には、減税の恩恵がなくなるというわけです。
 現行の法定相続分課税方式では、遺産分割の方法にかかわらず、相続税総額は変わりません。ところが、遺産取得課税方式は、相続人が実際に取得した遺産額に応じて課税するので、遺産分割の方法によっては累進税率が変わり、相続税総額が大幅に増える可能性があります。
 また、改正次第では、基礎控除や人的控除の額なども見直されるおそれもあり、行方が注目されます。

◆◇◆ 信用保証"責任共有制度"認知度は2割 ◆◇◆

 昨年10月から信用保証制度に原則、保証協会が80%保証し、金融機関が20%負担する「責任共有制度」が導入されました(小規模事業者は、対象から除外される保証制度があります)。
 国金の小企業借入状況調査によると、責任共有制度を"知っている"企業は2割にとどまります。制度導入後に利用した企業の以前と比べた利用条件の変化について、借入金利は「上昇した」が40%、「変わらない」が38%でした。
 また、担保・保証条件や借入限度額については、これまでと「変わらない」が7割以上を占め、制度導入の影響は今のところ、限定的のようです。

◆◇◆ 2月のチェックポイント ◆◇◆

※贈与税の申告・納付は2月1日から3月17日。

※所得税の確定申告は2月18日から3月17日。

※個人消費税の申告・納付は、平成17年分の課税売上高が1千万円を超えている方は3月31日。

※3月決算法人の企業は、決算対策のための仮締めと、新事業年度の利益計画・営業計画を立案するための資料の収集をします。

※4月に賃上げを予定している企業では、同業種・地域・新聞などから情報を集め、自社の経営見通しや賃上げ原資などから総合的に判断。


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