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2008年6月16日(月)

■■−今週のことば−■■  ガラパゴス現象

 国内だけで独自の技術やサービスが進化し、世界標準から乖離している現象。隔絶された環境で、独自の進化を遂げた生物が生息するガラパゴス諸島になぞらえた指摘。


◆◇◆ 所得控除が導入されたエンジェル税制 ◆◇◆

 今年度の税制改正で、エンジェル税制が拡充され、ベンチャー企業へ出資した個人の総所得金額から出資額を控除できる制度が加わりました。これにより、節税を受けられる人が大幅に増え、高額所得者ほど効果が大きくなります。

** 最高1,000万円の所得控除 **

 これまでは、ベンチャー企業への投資額を他の株式譲渡益から控除できる制度だったため、株式投資をしない人や譲渡益が出ていない人には、メリットがありませんでした。

 導入された所得控除制度は、ベンチャー企業への投資額から5000円を差し引いた金額が、個人の総所得金額から控除できるようになります(控除対象金額の上限は、総所得金額×40%と1000万円のいずれか低い方)。

 例えば、総所得金額1200万円の方がベンチャー企業に500万円投資した場合、479.5万円(控除対象金額は1200万円×40%=480万円)を総所得金額から控除できます。

 なお、株式譲渡益がある場合は、所得控除制度と従来の制度のいずれか有利な方を選択できます。

** 設立3年以内のベンチャー企業が対象 **

 対象となるベンチャー企業は、設立3年以内の特定中小企業者です。2、3年目の企業は、設立以来、営業キャッシュフローが赤字であることが条件となります(その他にも一定要件があります)。

 経済産業省では、税制の適用企業あることを確認した企業の社名等をホームページで公表しています。また、投資会社も税制を活用したファンドを設立するなど、動きが活発になっています。

◆◇◆ 「算定基礎届」の準備はお早めに! ◆◇◆

 社保事務所から「算定基礎届」の届出用紙が送られてくる時期です。提出は7月1日から10日ですが、今年は郵送による提出が多くなるようです。

 対象者は、5月31日までに被保険者になっており、かつ7月1日現在の被保険者全員です。

 6月の給与計算が済み次第、4、5、6月の総報酬額を月別に記入して、総額を3で割って「標準報酬月額」を決定し、9月分(原則10月支給給与から控除)から1年間の保険料が決まります。

 なお、報酬に含まれるものは金銭で支給する基本給および各種手当や年4回以上の賞与などのほか、通勤定期代や要件付きで食事・社宅などの現物支給も含まれるので注意が必要です。

◆◇◆ 消費税等年60万円超は中間納付が必要 ◆◇◆

 消費税の中間申告は、前課税期間の地方消費税を含む納税実績が60万円超500万円以下は年1回、500万円超6000万円以下は年3回、6000万円を超えると年11回の納税が必要です。

 特に、初めて年額60万円を超える消費税を納税した企業は、年1回の中間申告の場合、前期の納税額の約半分を納付することになりますので、忘れずに納税資金の準備をしておきます。

 なお、業績が悪化した場合などは、仮決算を組んだ金額で申告することもできます。


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