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2008年6月23日(月)

■■−今週のことば−■■  青少年ネット規制法

 ネット上の有害情報(犯罪や自殺の誘因等)から青少年を保護する規制法が成立。パソコンや携帯にフィルタリング(閲覧制限)を義務化。表現の自由などの懸念も。


◆◇◆ FX取引や消費税の脱税が大幅増加 ◆◇◆

** 査察により353億円の脱税を摘発 **

 査察調査(通称マルサ)は、大口・悪質な脱税の疑いがある者に対して行われます。

 国税庁が発表した査察白書によると、平成19年度の摘発件数は218件(うち158件を告発)、脱税総額は、前年より49億円多い353億円、1件あたりの脱税額は、2400万円増の1億6200万円となっています。

 脱税の手段・方法としては、外国為替証拠金取引(FX取引)による利益の除外や、架空の輸出免税売上とそれに見合う架空の課税仕入を計上したり、人件費を外注費に仮装し課税仕入とするなど、消費税の脱税が大幅に増加しています。

 近年、大口・悪質な脱税に対しては厳しい姿勢がとられており、検察庁に告発されると100%有罪判決が出され、実刑判決も増える傾向にあります。

** 過度な節税は、資金繰りが悪化する原因に **

 税金を払いたくないからといって、脱税を行うのは犯罪行為となり、節税とは根本的に異なります。節税は、税法で認められた制度を活用した税額控除などで合法的に税金を軽減することです。

 しかし、不必要な経費の支出などによる過度な節税は、手元の資金を減らし資金繰りの悪化を招く原因になります。また、利益を出していない決算は、銀行などの融資にも影響します。

 経営の目的は、税金を0円にすることではなく、事業を存続・発展させることです。そのためにも手元に資金を蓄えておく必要があります。

 今後の事業展開とのバランスを考えて、適度な節税を心掛けることが大切です。

◆◇◆ 役員給与(定期同額)を改定できる事由 ◆◇◆

 大部分の役員給与にあたる定期同額給与は、支給額が毎月同額でなければ損金算入できません。支給額を変更する場合は、通常、事業年度開始日から3ヵ月以内に定時株主総会等で改定しますが、以下の事由などによる改定も認められます。

○地位や職務内容に重大な変更、その他やむをえない事情……偶発的な事情等により例えば、社長が任期途中で退任し副社長が社長に就任する場合や合併で職務の内容が大幅に変更される場合など。

○経営状況が著しく悪化、その他これに類する理由……やむを得ず減額せざるを得ない事情がある場合で、一時的な資金繰りの悪化や業績目標を達成できなかったなどの理由は該当しません。

◆◇◆ 納期の特例源泉税などの資金繰りを確認 ◆◇◆

 納期の特例(従業員が常時10人未満)を受けている企業の源泉所得税の納付期限は7月10日(木)です。1月〜6月分の給与・賞与・退職金および税理士などの報酬の源泉所得税をまとめて納税するため多額になる場合があります。

 この時期は、夏季賞与や夏物商戦なども加わるので資金繰りをもう一度確認すると同時に、売掛金の回収を一層強化します。

 納期限に正当な理由なく遅れると不納付加算税と延滞税が課せられるので注意して下さい。


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