２００８年８月４日（月）

■■−今週のことば−■■　　ＴＨＥ ＨＵＭＡＮ ＲＡＣＥ １０Ｋ

◆◇◆　事業承継における中小企業のＭ＆Ａ　◆◇◆

　企業の事業承継は大きな問題の一つですが、特に後継者がいないことを悩んでいる中小企業が多くあります。後継者難の中小企業にとって、他社に会社を譲渡して企業を存続させるＭ＆Ａが有効な選択肢として認識されつつあり、市場も拡大しています。

＊＊　Ｍ＆Ａによるメリット・デメリット　＊＊

　中小企業のＭ＆Ａで最も多く用いられる「株式譲渡」は、売り手企業が自社株式を譲渡することによって、会社の経営権を買い手に譲り渡すものです。合併とは違い、会社の所有者が代わるだけなので、会社自体はそのまま存続することになります。

　そのため、＊従業員の雇用が継続できる、＊取引先に迷惑をかけない、＊後継者難で会社を清算する場合と比べ、税制の違いにより株式譲渡する方が株主の手取額が多くなる、などのメリットがあります。

　一方、デメリットとしては、＊相手が見つかる保証がない、＊基本的には社長１人で交渉を進めることになるため、長引くほど精神的な負担がかかる、などが挙げられます。

＊＊　会社規模が小さくてもＭ＆Ａはできる？　＊＊

　Ｍ＆Ａによる事業承継の成功事例の共通点として、売り手企業と買い手企業の企業文化や風土が似ていることや、相乗効果があることです。ですから、規模が小さくても買い手から見て魅力的な点があれば、Ｍ＆Ａできる可能性はあります。

　Ｍ＆Ａは企業の「お見合い」ですので、良い"縁"に巡り合うためには、規模の大小よりも、自社の強みとなるような技術やノウハウ、優良顧客などを持っているか、財務内容に問題はないかなどが大きなポイントとなります。

◆◇◆　長寿医療制度に係る社会保険料控除　◆◇◆

　今年４月から実施されている長寿医療制度（後期高齢者医療制度）は、原則として保険料は年金から天引きされますが、制度の見直しが行われ、今年１０月以降の保険料については市区町村等へ一定の手続を行うことで、口座振替により保険者の世帯主又は配偶者が保険料を支払うことが選択できるようになります。

　年金から天引きの場合、保険料を支払ったのは年金の受給者自身であるため、その本人に社会保険料控除が適用されますが、口座振替により世帯主又は配偶者が支払った場合は、その保険料を支払った世帯主又は配偶者に社会保険料控除が適用されることになります。

◆◇◆　８月のチェックポイント　◆◇◆

※暑中見舞状は立秋（７日）前に届くように、以降は残暑見舞状になります。

※夏季休業を実施する企業は、関係先に日程を連絡するとともに、取引先と納品や集金などのスケジュールを確認しておきます。

※夏バテによるミスや労働災害・交通事故を防ぐために、健康と安全管理に留意します。

※社会保険事務所から「健康保険被扶養者調書」が送付されるので、被保険者に配布し必要事項の記入と書類を添付して指定の期日までに提出。