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2008年9月16日(火)

■■−今週のことば−■■  環境負債

 国や自治体は企業に環境対策の強化を求めており、土壌汚染の改善などにかかる将来の支出を、引当金として計上する動きが広がる。主要企業で1千億円を超えた。


◆◇◆ 経営承継円滑化法が10月施行 ◆◇◆

 今年10月から中小企業の事業承継を支援する経営承継円滑化法が施行されます。これにより、「取引相場のない株式に係る相続税の納税猶予制度」、「民法の遺留分に関する特例」、「事業承継に係る金融支援制度」が制定されます。

 円滑化法の対象となる中小企業の範囲は、中小企業基本法上における中小企業(一部の業種は範囲が拡大)となります。

** 相続税の納税猶予制度は遡及適用 **

 相続税の納税猶予制度は、相続等により取得した非上場株式の議決権株式等(発行済議決権株式総数等の2/3が限度)に係る相続税額の80%を納税猶予する制度で、平成21年度税制改正で創設され、今年10月1日に遡及して適用される予定です。

 ただし、納税猶予を適用できる要件として5年間、「代表者を継続」、「雇用の8割以上を維持(正社員のみ)」、「相続した対象株式の継続保有」を満たす必要があり、年1回、経済産業省に報告しなければなりません。

** 遺留分に関する民法の特例は来年3月から **

 民法の遺留分(相続人に最低限保証された相続財産の一定割合)については、*後継者に生前贈与された自社株式等を遺留分の対象から除外する、*生前贈与株式の評価額を予め固定する、といった特例が適用できるようになります。

 要件は、他の相続人の合意が必要であることや3年以上継続して事業を行っている企業であることなどです。この特例は、21年3月1日から施行されます。

 また、経営承継のために必要となる資金を政府関係金融機関による融資の特例を設け、支援します。

◆◇◆ 社員旅行は会社の費用負担に注意! ◆◇◆

 秋は、社員旅行の季節です。JTBの「社員旅行に関する調査」では、「1年に1回」が53%、「1泊2日」が76%で、バスまたは電車を利用した国内旅行が最も多く回答されでいます。

 社員旅行の費用は、社会通念上妥当な金額(注:法令や通達に明記されていないが10万円程度か)で、かつ、*4泊5日以内(海外は現地4泊5日以内)、*社員全体の50%以上が参加、の要件を満たせば、損金算入することができます。

 ただし、役員・幹部だけや取引先の接待などの旅行は該当しません。また、不参加者に費用相当額を支給すると、参加者も含めて全員が給与として源泉徴収の対象となるので注意しましょう。

◆◇◆ チェーン店での「管理監督者」の判断要素 ◆◇◆

 厚労省は、小売・飲食業等のチェーン店における店長等が労働基準法の「管理監督者」に該当するか、「職務内容、責任と権限」「勤務態様」「賃金等の待遇」についての判断要素を明示しました。

 例えば、
*パート・アルバイト等の採用・解雇に権限がない、
*遅刻・早退等により減給または人事考課で不利益な取扱いを受ける、
*時間単価に換算した賃金額が店舗所属のパート・アルバイト等の賃金額に満たない、などは管理監督者性を否定する重要な要素になるとしています。


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