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2009年3月9日(月)

■■−今週のことば−■■  カーボンフットプリント

   原材料調達から廃棄に至るまでのCO2排出量を商品に表示する試み。経産省が普及に向け基本ルールを策定。協力企業が排出量を表示したラベルを商品に添付し実験販売を開始。

◆◇◆ 遺留分の民法特例が施行 ◆◇◆

 中小企業の事業承継支援策「経営承継円滑化法」の柱の一つである「遺留分に関する民法の特例」が3月1日に施行されました。

** 遺留分って何? **

 遺留分とは、一定の相続人に最低限保障されている相続の権利のことで、遺留分を侵害された相続人は、遺留分の額以上の財産を取得した相続人に対し、財産の返還を請求できます(遺留分減殺請求権)。

 また、遺留分を算定する際の基礎財産には、一定の贈与も含まれ、相続開始時を基準に評価された価額になるため、後継者が生前贈与を受けた自社株式の価値が相続開始時までの間に上昇した場合には、後継者以外の相続人の遺留分が増大し、遺留分減殺請求によって株式が分散することになります。

** 「除外合意」と「固定合意」 **

 このような問題を解決するため、後継者が先代経営者から贈与等により取得した自社株式について、推定相続人全員の合意を前提として、(1)遺留分算定基礎財産から外す「除外合意」と、(2)遺留分算定基礎財産に算入する価額を予め固定する「固定合意」が創設されました。これにより、
(1)除外合意……当該株式等は遺留分算定基礎財産に算入されず、遺留分減殺請求の対象にもならないため、株式が分散することを防止できます。
(2)固定合意……当該株式等を遺留分算定基礎財産に算入する価額が合意時点における価額に固定されるため、後継者は、企業価値向上を目指して経営に専念できます。

 なお、除外合意と固定合意は、二者択一ではなく、組み合わせることもできます。

◆◇◆ ワークシェアリングは個々の状況に合わせて ◆◇◆

 雇用問題に対する改善策の一つとして、ワークシェアリングへの関心が高まっています。

 帝国データバンクが行った調査では、「すでに導入」は3%で、「導入の予定や検討」を含めて9%でした。一方、「予定はない」が51%と過半数を超えています。

 導入のメリットは、「社会的責任が果たせる」が61%で最も多く、「有能な人材の確保や流出の防止」、「人件費が低下」などが続いています。一方、デメリットは、「士気低下」が44%で最も多く、「時短ほど人件費は低下しない」、「責任の所在が曖昧」、「一律の扱いを行うことに不公平感がある」などが挙げられています。

◆◇◆ 労働保険年度更新の申告・納付期間が変更 ◆◇◆

 平成21年度から労働保険料の申告・納付期間が、6月1日〜7月10日(従来は4月1日〜5月20日)に変更されました。また、分割納付の納期限も合わせて変更(第1期は7月10日)となります。

 これにより労働局から各事業所に送付される年度更新申告書は、5月末に発送される予定となっています。なお、労働保険料の算定期間は変更ありません(4月1日から翌3月31日まで)。

 社会保険の算定基礎届の提出時期と重なりますので、早めに手続きの準備をしましょう。


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